告白

俺は勇気をふりしぼって声に出した。

「ヨウコさん!僕の気持ちが見えるんでしょ?恋のテレパシー受けてくれたでしょ?何かって恋でしょ?ヨウコさんはもうわかっているのでしょ?あなたに夢中になってしまった俺の気持ちを!だから、何かって?俺と恋愛が始まるんでしょ⁈」

ルームミラーで後部座席を見つめながら必死に話す俺の声はうわずっていた。

あきらかに緊張してコントロールできていない声の醜さに自分でも恥ずかしくなった。
時すでに遅し。

「気持ち悪い……」

後部座席からボソッと返された言葉。

「そこで止めてください」

俺は黙って言われた通りの場所に車を止めた。黙ってお金を受け取りお釣りを返した。
後ろのお客の顔を見ないように頭を下げてお礼をした。

「ありがとうございました」

俺の声はボソボソと小さすぎて当然お客には聞こえなかっただろう。車から降りたと同時に客が走って消えて行ったのを気配で感じとった。俺は静かにペダルを踏んでその場所から離れた。

ルームミラーに手を伸ばした。
俺は俺と目が合った。

「バカヤロウ……」

ルームミラーが俺を睨んでいた。

BADEND

タクシーの後ろ姿