夜光

『ああ、眩しい』

フロントガラスに夜光が反射する。今夜も俺は車の中。外はゴージャスな光の街だ。

ショーウィンドウが明るく灯り、鮮やかな服を着たマネキンが踊る。笑みを浮かべた蝶ネクタイの男が指差すネオンは、甘く光り手招きをする。新装開店と書かれた自動ドアは、点滅する豆電球のリズミカルなパレードで活気付く。

夜の光はまるで欲望を呑み込む生き物だ。人たちは皆、眩しい夜光を瞳に反射させながら、夜のエキスを求めて、ゆらゆらと彷徨っている。

『ああ、俺にはなんの関係もない』

俺は暗くて狭い鉄の空間の中、目ん玉をギラつかせて、ハンドルを握りペダルを踏む。俺を呼び止める手だけを追い求めて。

俺はタクシードライバー。

そんな俺にも楽しみがある。